マジックミシン

スーツの袖丈が気になりだした今日この頃、みなさん如何お過ごしですか。

いやね、スーツ着て仕事するようになって10年くらい経つけど、あんま気にして無かったんですよ。
大抵、裾は直すけどジャケットの袖丈はそのまんまで着てたし。

ところがここ最近「俺のスーツの袖丈って実は長くね?」とか気になり出したから、もう止まらない。
ネットって便利だね。自分の専門外の知識を調べる時にかなり手軽に調べられるし。

やっぱり袖丈は長いよ。たぶん。
ダランと横に手を垂らした状態で、袖端が手の甲を半分くらい被ってる。
ちょうど小指の拳まで長さがある。
背が低いから余計だらしなく見える。気付いて良かったよママン。

ワイシャツの袖が1.5~2センチ程度出てるのが良いらしいが、確かに黒目のスーツを着た時に
襟元と袖から白いワイシャツがちょこっと見えてると締まった印象になる(かもしれない)

ジャケットは直そう。袖を詰めよう。
しかし、すると今度はワイシャツの袖丈はどうなんだ、という疑問が沸くワケです。
手持ちのワイシャツに合わせてジャケットの袖を詰めたとして、そのワイシャツ自体の袖丈が
きちんとしてなかったら、ジャケットの袖丈もダメダメな丈になってしまうじゃないですか。

っつーかメジャーで測ったり、着た状態で袖のラインを手の甲にマジックでケガいて
手持ちのワイシャツの袖丈を色々調べたら、当然のごとく全て微妙にまちまちだ。

これじゃぁ何をベースにジャケットの袖丈を直せば良いのか分からん。
分からんぞこんちくしょー。

じゃあってんで、今度は「ワイシャツの袖丈とは?」を調べにネットを彷徨う。

ボタンを外した状態で、手首の骨(出っ張ってるトコ)から5センチらしい。
よく分からんが。
サイトによってはさらに長いのを薦めてる。

まぁ今持ってるワイシャツもスーツも高級品でもなんでもなく、ただの消耗品なので
この5センチってヤツを基準に実験してみる事にするか。

まず5センチ基準にあうワイシャツを探す。
何着かあった。たしかにこのくらい袖丈が無いと、前へならえした時に短いよな。

じゃあ次にワイシャツの袖ボタンを留めて・・・・

あれ?よく考えたらワイシャツによって、ボタンを留めたときの内周って違うじゃん。
袖丈が同じでも内周が違えば、ボタンを留めた時に手首のどこの位置でカフスが止まるか
違ってくるじゃん。

あうあうあうあう~~~~

どうしようも無いから、一番マトモ(そう)なワイシャツに合わせるとするか。
今後買うワイシャツの袖内周が今と違ったら、ボタンの場所を付け替えればそれでいいや。

そんなこんなで、着たり脱いだり袖をクリップで留めたり外したり手の甲にマーキングしながら
ジャケットの直し寸法を測る。
こういう作業って地味だけど楽しいな(笑

3着ほど直し寸法を測って飽きた。
とりあえずこの3着を直しに出すか。

近所のお直し屋さん(マジックミシンとかいうチェーン展開してる店)に持ち込む。
ついでに着丈の長いシャツ類も採寸して持っていく。XSのシャツを買ってるのに裾を出して着ると
まるでパシャマのようだ。むかつく。こういう時だけは背の低さは不便だ。

店のおばちゃんに色々とやってもらいたい事を説明するが、結構問題点が多い。

まずアキミセ仕様なのだが、アキミセを移動するのは不可能らしい。っつーか布がそこで切れてるし。
まぁそれはいいや。よく見るとヘンだけど誰も気付かないだろう。

次にボタン移動。
袖の端から3.5センチに第一ボダンが位置するらしいが、当然袖を詰めるのでボタンの位置も
移動させたい。
これがエラク大変なんだ。
ようするに切羽をどうするかっつー問題が。
当然のごとく俺の切羽は飾り切羽だ。本切羽なんて高いスーツだけだしな。
切羽が無くてボタン移動のみだったら超簡単だ。当たり前だ。アキミセ問題だけだ。
でも切羽は欲しいぞ。っつーか無いとヘンだと思うんだが。
ここでさっきのアキミセ問題が絡んでくる。つまりアキミセがズラせない都合上、一番上の
切羽を作るのにミシンが入らないらしい。

この解決策は3つ。
1・アキミセから上を一旦解いて、切羽をミシンで作成。その後アキミセまで縫い戻すが
ここはミシンが入らないらしいので手縫い。よって強度・仕上がりがもしかしたら・・・

2・切羽を手縫いで作成。しかし外注先が爺さんの店らしく目が悪くて精度が悪いらしい(笑
あと手縫いなので切羽がやたらゴツく仕上がるらしい。

3・アキミセの部分は解かずに、袖の後ろを全て解く。すると切羽もミシンで作成可能。
ただし、袖後ろを解くには袖の裏地も一旦解かねばならず、さらに一旦解いた裏地部分は
全く元通りにはならず、解いた部分だけ別のミシンで縫う事になる。もちろん外見には何の
変化も無い。

やっぱここは3番だろ。工程が多くて値段が高いけど。

袖の端の処理は額縁仕様にしてもらった。
この前買ったバーバリーのスーツが額縁仕様で結構カコイイ!と思ったんで。

ついでに本切羽に出来るかどうかも聞いてみた。
一番下のボタンだけ外してみたいよな。
いや別にやらないけど。

結論としては袖詰めが無ければ本切羽にするのは可能らしい。
しかし今回はアキミセのさらに上の部分にまでボタンが来るから、そこに本切羽を作るのは無理だ。
だって布が無いんだもん。
あと本切羽にする場合、裏地の余りも問題だ。裏地が余ってないと本切羽に出来ない。

まぁオマエ、本切羽はオーダーした時に作れって事ですよ。

店のおばちゃんは色々親切に相談に乗ってくれた。
そして工期がめちゃ早い。今は閑散期らしく、スーツの袖丈詰め2着とシャツの着丈詰め3着で
5日で出来るんだと。テラハヤス。

今回は消耗品を使っての実験て感じなので、失敗してもまぁいいや。という感じか。

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